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イデヤっ子2020年10月号 ~ 50周年 特別企画 ~

50周年 特別企画 ~ 「50才のイデヤ」② 創業社長 出村 剛  全5回シリーズ ~
 *ハンダディップ装置をNECに納入した出村は、生産技術課長から意外な言葉を耳にする。
「この装置なら他のトランジスターメーカへも売れると思うよ」とポツリ。
だが、私はトランジスターを作っている他の会社を知らないし、NECで経験した物以外に他のメーカの物を見たことも無い。
善は急げと言う。大阪の電氣商店街・日本橋へ飛んで行き、いろいろなトランジスターを買ってきた……
「ヒェー、こんなにいろいろな物があるのか!」と異世界を初めて見る思いだった。
 東芝の本社へ電話して、トランジスターを作っているのは姫路工場だと教えてもらい、そちらへ電話をしたら「すぐに説明に来てくれ」……とんとん拍子に話が進み、その後も沢山の注文を頂くことになる。こんな調子で日立製作所や三菱電機、松下電子などのお得意様が増えていった。いろいろな種類のハンダ機の開発が進み、注文も増加し、それに併せて人員も増加していったが、社員を集めるのは難しかった。
 関西のいろいろな大学を訪問して、就職担当の教授にお願いするが、名も無い零細企業へ就職する変わり者は一人も居ない。そんな時、大阪府立高専の教授だった友人のTさんが「出村君、落第生だが……」と学生服を着た生徒を連れてきた。5年制の高専では3学年を終わった段階で生徒の学力をチエックして、落第者が出ると更に1年間の教育をする。2年目も駄目な場合には高校卒の免状を与えて終にする。3月末の審査で駄目になった生徒を連れて来た友人のTさんが「この子は吹奏楽部でラッパに熱中し過ぎて落第したが、使ってみてくれる?」
この落第生1号は何をやらせても器用にやり、真面目に働く「これは拾いものだ!」とばかりに高専へ落第生の採用を依頼すると続々と集まって、会社は落第生集団になった。その後は正式な卒業生も集まって来て、小さな会社は大阪府立高専ゼミの様相を呈する程になった。
 そんな或る日、外部からの電話を受けた女子社員が「アッ!どうしょう?英語だ……」。その受話器を横取りした営業担当のKさんが「ノー、ノー」を連発して受話器をガチャンと置いた。それを助ける力は私にも無かった。
だが、この電話は一つの転機になった……「外国から電話があった、それは海外のトランジスターメーカも我々が作っているハンダ機に関心があるのに違いない」当時のシリコンバレーは急速に発展する途上にあって、それを紹介する本には沢山の半導体メーカが軒を連ねている様子を紹介していた……
ここへ売り込みに行けば上手く行くかも?
 直ちに英文のカタログを作り、それを段ボール箱一杯に詰めて、私とKさんはサンフランシスコ空港に下り立った。外国通の知人達は「アメリカ社会はアポなしでは誰も会ってくれないよ……」とアドバイスしてくれたが、ダメモトでも、とにかく実行するのが私のやり方ですから、失敗は少しも気にならない。
技術開発や装置の開発でも幾度となく失敗を繰り返しながら、そこから学んで前進するのが定石なので、販売においても同じことだろうと思っていた。

製 作 記 ~ チルカップ式めっき装置 ~
 本誌でも何度か紹介しているチルカップ式めっき装置を製作、納品しました。右写真がそれで、お客様のご要望を各所に反映したものになっています。
 今回、お客様がご発注された理由は、レンタルによりその効果を前もってご確認頂いた事です。このレンタルによる前確認で、今までの方法と比較して、次のようなメリットをご確認頂きました。
●電流効率がよくなり、めっき品質が向上した。
●薬液の寿命が向上した。(約1.3倍)
●オペレーターの手間が減った(約1/3)
 上記以外としても、最近弊社が新たなモノづくりとして採用しているFRPや樹脂部品により、腐食対策や装置の軽量化を実現しています。その重量は55kgです。

株式会社イデヤ 編集者
電話:0774-72-5361 E-mail ; sales@ideya.co.jp


    

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