イデヤ博士の実験室

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表面処理用治具

お客様からのご要望を受け、表面処理に使用する治具を作ってみました。
要望事項
①耐薬品性があること。
②液切れがよく、薬液の持ち込み/持ち出しが少ないこと。
③ワークの姿勢がきっちり保持されていること。
④ワーク同士の接触が無いこと。
⑤ワークの中央部が他の物質に触れることが無いこと。
⑥1治具当たり60枚のワークをセットできること。
⑦コンパクトな治具で小さな薬液槽で処理できること。
 (高価な薬液なので、薬液使用量を少なくしたい。)
要望に対しての検討
①耐薬品性
 お客様が使用されている薬液の成分表から調査し、アクリルが使用できることがわかったので、
 治具の材質はアクリルを選定。
②液切れ性の調査
 実際のワークと薬液をお借りして、ワークの姿勢に対する薬液持ち出し量を測定。
 ワークの姿勢による薬液持ち出し量測定(g/1枚)
               横(0゚)    縦(90゚)   傾斜(60゚)
  薬液A 0.30g  0.24g  0.16g
  薬液B 0.85g  0.67g  0.45g
 測定結果より、横向きより縦向きの方が液切れがよく、斜めに傾けると更によくなること
 が判明したので、薬液へのワーク浸漬は縦向きに行い、薬液から引き上げ後、薬液槽の上で
 斜めに傾ける方法に決定。
③④⑤ワーク保持の方法
 要望を満足するような治具を設計し、実際に作ってみました。写真参照。

 

 

 
 
 ・アクリル板を社内の小形レーザー加工機で切断し、3枚のアクリル板を接着してます。
 ・液だまりが極力発生しないような形状にし、液切れをよくしてます。
 ・ワークのセット方法は、家の窓のはめ方を参考に、まずワークの上側を溝に沿って下から
  挿入し、下の溝に向けてワークを下ろします。
⑥ワークの処理枚数
 ・1枚の治具には、ワークを8枚セットできます。
 ・この治具を8列分保持できる枠を別途製作し、8枚×8列=64枚を一度に処理できるよう
  になります。
⑦コンパクトな治具で薬液使用量を少なくする。
 64枚のワークを弊社のナイセ君小形槽で処理できます。
 ナイセ君小形槽の薬液量は、約4.3Lです。

 

以上、お客様からの要望を実現した治具の製作ブログでした。
何か「こんな事を考えてみたい・やってみたい」ということがあれば、イデヤに声をかけてみて下さい。お待ちしております。

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