表面処理用治具2
前回製作したアクリル製の治具ですが、耐熱温度が98℃以上必要になる新たな課題が発生しました。
しかし、テフロンは熱膨張が大きく、熱変形しやすい材料です。表面処理プロセスでは常温で使用し、次工程では98℃で使用するとなると、治具の形状を維持することが困難です。また、接着が容易にできず、価格も高価です。
耐薬品性あり、常温でも98℃でも使用でき熱膨張が少なく形状が安定して加工ができるということを考えると、PEEKやPPSがありますが、どちらも高価なものになってしまいます。数が必要な治具には不向きです。
そこで、比較的安価な材料で製作できないと考えて選定したのが、エポキシガラス板です。
エポキシガラス板は、プリント配線基板によく使用されている材料ですね。エポキシガラス板の耐薬品性や耐熱性は、テフロン,PEEK,PPSよりも劣りますが、安価な材料で接着が可能です。早速、耐薬品性と耐熱性を調べるのにテストしてみました。
耐薬品性は、実際に使用する2種類の薬品でテストしました。ガラスエポキシ板を薬液に20日間浸漬した結果、外観はわずかに着色がみられたものの重量変化はほとんど無し。
耐熱性テストは、エポキシガラス板で治具の試作品を製作したものを、次工程の装置で実際に使用してみた。結果は、1時間×6回使用で問題無し。
テスト結果より、実用上問題なしという判断でガラスエポキシ板で製作することに決定。
製作したジグを槽にセットした写真です
以上、前回製作したアクリル製治具の材質をエポキシガラス板に変更した治具の製作ブログでした。
何か「こんな事を考えてみたい・やってみたい」ということがあれば、イデヤに声をかけてみて下さい。
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