イデヤっ子通信
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2023年11月号イデヤっ子 2023年11月号 ~ 木型を使った鋳型部品 ~
製 作 記 ~木型を使った鋳型部品 ~
右の写真①の部品は、弊社の装置に使う取付具です。この様に4種類の形状がありますが、使用する数量は1種類あたり100個程度です。
こうしたモノを1個1個加工して製作しますと、時間と費用がかかります。また、高価な型を準備して鋳型するには、100個では数が少なく、割に合いません。
そこで、今回、木製の型を製作して、鋳型する事にしました。
まず、写真②の様な型(写真は下型のみ)をルーターで加工します。次に、離型の前処理を施し、多くのガラス繊維と樹脂を流し込み、鋳型します。写真③が出来上がった鋳型品です。この鋳型品を均等に切断して、仕上げました。
木製の型ですので、4~5回使うと型の一部が欠けてきたりします。しかし、木材を社内加工しているだけですから、大きな負荷にはなりません。
今後も、チョコッとした鋳型品に、木型は有効活用できそうです。
編集者のひとり言 ~京都府立林業大学 助教授 足立 亘 先生に聞く ~
編集者 : 弊社はめっき装置の製造をしていますが、脱プラスチックを目的に、木材を利用し始めています。一方で、木材の利用が、自然資源の浪費にならないかと心配している中、“もっと木を使いましょう”と言う先生の記事を拝見し、興味があり、連絡させて頂きました。
足立先生: まず、異業種とも言えるイデヤさんが、この様に木を利用されている事には驚きました。多くの木は建築及び紙に使用されていますが、他の業界でも利用の輪が広がる事は、非常に良い事だと思います。建築や紙に使用される木は人工林です。しかしながら、今でも海外から安い木が輸入できるため、京都府だけでも3分の2の人工林が放置された状態になっています。放置された木は、朽ちてしまい、結果として木の役割を果たせなくなります。
以上の様な事から、木の活用は健全な山の維持に、大きな役割を果たす事になります。
なお、できる事なら国内の木を使って下さい。海外の木は確かに安いですが、輸送にエネルギーを消費すると言う事から、省エネの観点で問題視されつつあります。
編集者 : 次に火災の観点で、木はどうでしょうか?
足立先生: その話は私もよく耳にします。今、竹中工務店や住友林業が木材を使った高層ビルの建築に挑戦しています。ニューヨークのツインタワーはテロの攻撃を受けて、倒壊しました。あれは鉄が熱で溶解した事が原因です。対して、木は表面が炭化すれば、中まで燃える事はなく、柱はしっかりと残ります。その為、倒壊を避けるため、炭化部分を見越した“燃え代設計”と言う考えも出てきています。一方で、木には鉄の様な剛性がありません。この事については、ノルウエーのケボニー社が開発したケボニー材が注目されています。これは木の繊維質に、植物性の樹脂を入れたものです。
編集者 : いろいろと参考になる情報、本当にありがとうございました。
足立先生: こちらこそ、ありがとうございました。最後に・・・“木には温もりがある”と言われています。私も長くこの学校で教壇に立っていますが、ここの生徒達は目を輝かせて、楽しく学んでいます。これも木や自然の影響かも知れません。人間は利便性を重視するあまり、無機質な世界に進みすぎたのかもしれません。我々は今一度、木の活用を考え、少しずつでも実行し、人の為、地球の為、活動する必要があると思っています。イデヤさん!是非、100%土に還るめっき装置を実現して下さい。応援します。
社外の風景 ~ 面接は難しい:生産部長 山本製の定盤 ~
新たに坂上と言う者を生産部に採用しました。弊社に来る前は“専業主婦”をされており、面接の時にモノづくりの経験を聞くと“家具の組み立てはやった事がある”と言う返事で、非常に心配した事を思い出します。
試用期間を含め2カ月が経ちますが、こちらの心配を他所に、段取りも良く、迅速に部品を仕上げてくれ、既に強い戦力になっています。
面接!・・・何度やっても、人を見抜くのは難しいものです。
株式会社イデヤ 編集者 |