イデヤっ子通信
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2023年9月号イデヤっ子 2023年9月号 ~ ラインヒーターの第1号に苦戦しました ~
製 作 記 ~ラインヒーターの第1号に苦戦しました ~
弊社は薬液や水の加温として、ラインヒーターを開発しました。その概略構造は右図の通りです。これを薬液や水の循環経路に設置し、必要な温度に昇温します。
当初の試作段階では、ケーシングをABS樹脂で造型し、その上に耐薬品性の樹脂を塗布しました。そこでは大きな問題は発生しませんでした。
そうした中、新たにご注文を頂きましためっき装置に、初めてラインヒーターを採用する事にし、製作及び確認を実施しました。施工当初は何も問題がありませんでしたが、長時間のランニング評価でパッキンとフタを締め付けている雄ネジの部分から、わずかな薬液の染み出しが発生してしまいました。
当初はパッキンの締め込みが悪いのかと、ナットを締め直したり、ケーシングとパッキンの接触面を平らにする等の対策を実施しましたが、問題は解決しませんでした。
そこで、更に原因を調査したところ、ABS樹脂とFRP用樹脂の接着不良が原因である事がわかりました。具体的には、パッキン固定用のネジがケーシングの中でFRP用樹脂により、接着接合されているのですが、その部分の接着強度が弱いため、ナットを締める程に、雄ネジがケーシングから離れ、浮いてしまい、パッキンが効かないと言う現象です。
以上から、ABSのケーシングを止め、WAFで製作する事にしました。結果、加圧1kg、2時間の循環試験で、液漏れは一切ありませんでした。なお、WAFの木材は難燃処理を施しています。
新たな挑戦はリスクがありますが、その分、新たな学びもある事を改めて経験しました。
編集者のひとり言 ~勇気と行動 ~
京都市の四条通りと鴨川が交差する南西角に、洋式の古い立派な建物があります。それは“東華菜館”という中華料理のお店で、週末には多くの人で賑わっています。
この建物は、“ウィリアム・メレル・ヴォ―リーズ”と言うアメリカ人が設計したものです。ヴォ―リーズは元々、アメリカの大学で建築を学習していました。その成績は優秀であったらしく、周囲が大学院への進学を強く勧めたようです。しかし、彼は敬虔なクリスチャンであったため、世界中で勃発する戦争に心を痛め、布教活動の優先を決意し、日本への渡航を決断しました。
その彼と結婚したのが、一柳満喜子と言う日本人です。満喜子は、元々、貴族院議員の家庭に生まれ育ったお嬢様でした。一方で、その家庭環境故に、自立心に溢れた女性と知り合う事が多く、そうした人達から影響を受けるようになります。あの津田梅子(津田塾大学の創設者)もその中の一人でした。そうした事から、親が勧める縁談も断り、自身を素直に表現し、ヴォ―リーズとの結婚を決断しました。
そして、この二人は明治の後期からいろいろな事に挑戦し、新たな商品やシステムを造っていきました。
その中の一つが、未就学児童を対象に始めたプレイグランド(遊びの広場)です。両親が忙しい為、放任されていた子供達を集め、建設的な遊びの場を与えました。それは次第に共感の声を集め、結果、現代の幼稚園へと発展します。
その他にも、ひび・あかぎれに苦しむ女性の為、メンソレータムをアメリカから輸入し、日本国内に広げます。今でも寒い乾燥した冬になると、利用される方は多いと思います。
こうした二人の生きる姿勢は、やりたい!と言う願望を持ったら、勇気をもって一歩を踏み出し、そして、やり遂げる大切さを、教えているように思います。
京都へ来られる機会がありましたら、二人の思いを胸に、美味しい中華料理を味わって頂ければと思います。
社外の風景 ~ ナイセ君 準備完了 ~
「是非、めっきを社内で、そして自分達の手で実行したい!」
お客様が求める短納期を実現するため、某お客様の社長が、熱い思いと共に、弊社のナイセ君を発注して下さいました。
弊社のスタッフが装置を完成し、また、めっきを一から学習するための教材も準備して、来社をお待ちしています。
株式会社イデヤ 編集者 |