イデヤっ子通信
弊社の月刊誌です。
ご登録頂いているお客様には、毎月メール配信を実施しています。
ご希望の方は、ご連絡下さい。
2020年12月号イデヤっ子2020年12月号 ~ 50周年 特別企画 ~
50周年 特別企画 ~ 「50才のイデヤ」④ 創業社長 出村 剛 全5回シリーズ ~
*ハンダディップ装置から何とか商売を軌道に乗せた出村は、そのディップ装置に限界を感じ始めていた。
イデヤの装置を必要とする分野のトランジスターやダイオードなどを個別半導体と言い、その何倍もの生産量がある集積回路(IC)にイデヤのハンダ機を使うことは希であった。その理由は溶けたハンダ槽にジャボッと浸けるめっき方法は均一な皮膜を得ることができず、ICの多くは電気めっきの方法で生産していた。だが、めっき処理は汚い工程が多い仕事で、そんな装置を半導体の生産工場へ持ち込むことができず、外注のめっき屋に依存していた。
それなら半導体工場向けのクリーンなめっき装置を開発すればICの分野へ進出できると考えた。だが、我が社には電気化学をベースにしためっき技術の知識を持った社員は居らず、アイディアに強いはずの私も、それは未知の世界だった。知らないことは、その道の専門家に教えてもらおうと、公立工業試験所のめっきのドンと言われる先生の門を叩いた。このドンが言うには……「めっきはそんなに簡単なものではない、私の主催する勉強会に参加して、数年間も勉強すれば道が開けるだろう」。
我が社の事情はこの開発に数年間も待てないし、世の中ではいくらでもめっきをやっており、素人の私でも何とかなるのでは?と考え、市販しているハンダめっき液を買い、電源装置も買って、若い技術者が実験してみるとめっきが着いた。「いけるじゃない!」と勢いに乗り、次はめっき被膜の厚みを測定する高価な装置も買って実験を重ねる内に、半導体業界が納得するめっき品質を得る技術とその自動機を完成した。その第一号機を買って頂いたのは日立製作所の子会社だったが、大変に嬉しかったことを記憶している。
この新しい分野への進出が成功して国内だけではなく、成長を始めた中国や東南アジアで売り上げが伸びていった。だが「好事多魔」というように、目に見えない足下が崩れ始めていました。ジャパン・アズ・ナンバーワンと世界中からもてはやされた日本経済が停滞を始めたのはその頃で、日本の半導体生産はその後急速に低下していった。
革新への一歩 ~ 「新たなモノづくりに向けて」~ ②和紙の世界
本誌で紹介しています通り、弊社は薬液用の槽やタンクに木材を使用し、その表面を和紙と樹脂で処理しています。この和紙、我々は奈良の吉野にある「福西和紙本舗」様より購入しています。今回お邪魔し、代表の福西正行様にお話を伺いました。
当家は江戸時代から続いており、私で6代目になります。昔ながらの方法で製造し、かつ和紙の材料である楮(コウゾ)の栽培から自分達で対応しているところは、他にはなかなか無いでしょう。
和紙の製造工程は概略 ①楮から白楮(シロソ)を取り出す ②白楮を洗い,練る ③紙漉き ④天日干しとなります。
和紙と言うと古いと思われるかもしれませんが、現在でもいろいろなところで使われています。最もよく使われているのが、美術館や博物館です。展示ショーケースの中に使われるもので、強度や吸湿機能から、ある程度の性能が必要とされます。それと賞状等にも和紙の利用率が高まっています。やはり良い紙ですからね。
商売の秘訣のようなものはありませんが、やはり技術を身に付ける事、作業時の集中力、そして淡々と作業を進める忍耐力が必要な事でしょうか?
それにしても、イデヤさんから連絡を頂いた時はビックリしました。電子部品等の製造業界の装置に、和紙をどうするのかと(笑)。実に斬新な発想ですね。
展示会情報 ~カーエレクトロニクス展 2021 に出展参加します ~
2021年1月20日(水)~1月22日(金)10:00~18:00(最終日のみ17:00)
●場所:東京ビックサイト
●弊社のブース位置:南展示棟1F 国際カーエレクトロニクス技術展内 S7-11
(本展示会はコロナ情勢も加味し、バーチャルブースも設定されます。)
●出展内容
(1) ナイセ君 ~用途が広がるナイセ君。表面処理の実験、試作、開発に!
(2) チルカップ式めっき装置~小型バレルの進化!
(3) 超小型フープめっき装置~フープ材の試作、開発に!
●お問合せは弊社の森田まで。 E-mail: morita@ideya.co.jp
2020年もイデヤっ子をお読み頂き、ありがとうございました。このような情勢ではありますが、 |