めっき用語の基礎知識
湿式めっき
めっきには、湿式めっきと乾式めっきに大別されます。
弊社では、湿式めっきによる対象物へのめっきを施すめっき装置を開発・製作・販売しております。
湿式めっきの種類として、下記が挙げられます。

  • 電解めっき
  • 無電解めっき
  • 硬質クロムめっき

電解めっき
めっき浴中で対象物に電流を流し、電気分解によって水溶液中の金属イオンを表面に析出させる方法です。
用途例として、ニッケルめっき、クロムめっき、銅めっき、亜鉛めっきなどがあります。¥

無電解めっき
めっき浴中に対象物を浸し、通電を行うこと無く、化学反応によってめっき皮膜を析出させる方法です。
用途例として、ニッケルめっき(無電解)、非導電性材料へのめっき、下地めっきなどがあります。

硬質クロムめっき
電気と化学反応の双方を利用して、水溶液中からクロムという金属を析出させる方法です。
用途例として、工具、金型、治具、自動車部品などの耐久性・耐摩耗性を上げる用途に利用されています。

建浴
「建浴」とは、めっき槽内にめっき液やその他の処理液を作って、めっきできるように準備することです。
この準備することを「建てる」と言われる為、この作業が「建浴」と呼ばれています。

未めっき(めっき未着)
ほんとんどの場合、製品の一部に発生する事が多い。
主な原因としては、めっき中における製品同士の重なりや異物の付着、または気泡による場合が挙げられる。
全くめっきが付かない場合は、前処理が十分出来ているかを疑う。
部分的なめっき未着については、現在決定的な対応策は無く、めっき液中での製品流動性を改革する工法の開発が望まれる。

密着不良
めっき後の外観ではめっきは付いているが、ピーリングテストで剥離してしまったり、加熱すると火ぶくれが発生したりする。
原因の大半は前処理不足による。
材料ロットが変わった時にも発生する場合がある。

膜厚バラツキ
めっきはどうしても付きやすいところに集中して析出する。
また、個片のめっきでは製品間のバラツキも発生する。
各部、各製品が同じ条件になる様、装置や冶具を工夫し対策する。

しみ
めっき後の表面に波模様が現れたり、斑点が出たりする。
原因はめっき後の洗浄不足とみてほぼ間違いない。
製品の細部にまで洗浄水が行きわたっているか、洗浄水の水質に問題がないか、等を疑ってみる。

ウォーターマーク
輪ジミとも呼ばれ、しみの一種として挙げられる。
洗浄水に含まれた微細な異物が、乾燥後に水滴の外周に残り、発生する。
また、水洗水の純度が高くても乾燥に時間が掛かり過ぎると、空気中の塵等が水分に付着し発生してしまう事もある。

異物付着
処理液中に浮遊した異物が製品に付着し、そのまま洗浄工程でも除去されずに残る事がある。
異物としては、めっき液中に発生する金属スラッジや、水洗水中に発生する藻等が挙げられる。
対策としては、異物を発生させない事と、洗浄能力の強化、この両方向からの手段を講じる必要がある。

濡れ不良
めっき後の表面にハンダディップ等を施すことがあるが、めっき面がそれらを撥水してしまう。
めっき液に含有する添加剤が適正値を外れた場合に発生する事がある。

異常析出
めっき液中にて、製品が接触する冶具や装置の一部にめっきが析出し、それがどんどん成長していく事がある。
製品から剥離した微小片や、めっき液中の金属スラッジ等が付着し、核となっている。
製品が常時同じところと接触しないよう装置を工夫する。
また、製品のバリ等、剥離しやすい物を前処理で十分に除去しておく。

クラック
硬質めっきを施した後に曲げ工程等があると、めっき被膜にクラックが発生する事がある。
特にめっき厚が厚いと発生しやすい。
曲げ部分のめっき厚が規格以上に厚くならないよう対策する。
また、可能であれば、添加剤等によりめっき被膜の硬度を下げる。

液混入(持ち出し、持ち込み)
処理槽から製品を取出す時、製品に処理液が残留したまま次工程に進むと、その処理槽から処理液を持ち出し、次の処理槽へ処理液を持ち込むこととなる。
これにより液が混入してしまう。
対策例としては、十分な液切りを行う、または中間に水洗槽を設け処理液を洗い流す。
実際は、これらの機能を設備に設けているが、何かのトラブルが発生し、液混入させてしまう事がある。

ロット混入
前に流した製品が装置内に残ってしまい、そのまま次の製品を投入し、混入となってしまう事が要因のひとつとして挙げられる。
製品の投入、取出しが容易で、残留しにくい構造の容器形状が必要となる。