製 作 記　～ イデヤ式サブタンクの耐薬品性 ～
　弊社の木材＋ＦＲＰ式タンクの採用実績が増えてきています。しかしながら、初めてその事を耳にするお客様から、耐薬品性について心配のお声を頂戴します。
　既に使用実績がある薬液は、脱脂、塩酸系、硝酸系、ニッケルめっきです。これらの薬液で液漏れや腐食のご連絡は受けていません。
　一方で、実績の無いものにつきましては、実験を実施し、その耐久性を確認させて頂くようにしています。
　今回、６価クロムを取り扱うお客様よりお引合を頂戴し、実験評価を実施しました。
　　●タンク容量：50リットル
　　●使用薬液：クロム酸
　　●温度：60℃　
　　●タンクの材料と表面処理
　　　(1) ベースはMDFボード
　　　(2) 表面処理①：ガラスクロスマットＡ＋樹脂
　　　(3) 表面処理②：ガラスクロスマットＢ＋樹脂
　　　(4) 熱風硬化処理:120分
　　●評価時間：160時間
　チェックは３日に１回、薬液を抜いて槽内の表面状態を確認しました。右写真の通り、接液表面が腐食するような事はなく、ベースである木材の色が、透明な樹脂を通して、見る事ができます。
   弊社の旗印「創造と挑戦」は、実験の裏付けを大切にしております。

展示会情報　～サステナブルマテリアル展を見学して来ました
　6月23日から3日間、インテックス大阪で開催されました
“サステナブルマテリアル展”を、弊社の開発部員・山本が見学して
来ました。非常に興味深い内容です。ご確認下さい。
　今回、インテックス大阪では他に４種類の展示会が同時開催されて
いました。コロナ禍という事もあり、他の展示会場は閑散として
いましたが、このサステナブルマテリアル展は多くの人で賑わって
いました。
　現在、弊社が進めている新たなモノづくりから、私の目的は生分解
プラスティックと植物由来の強化ファイバーでした。それぞれに以下の
ような展示品を確認する事が出来ました。
　●生分解プラスティック
　　・バイオマス不飽和ポリエステル　・バイオマス由来エポキシ樹脂
　　・生分解性素材ポリ乳酸PLA
　　・米（10～15％）を利用したバイオマスプラスチック
　●植物由来強化ファイバー
　　・麻製の不織布、織布。
　　   自動車業界では強化材として、注目されているらしい。
  　 ・複合材料用フラックス繊維（亜麻製）
　各ブースでは、スタッフの方から詳細な説明を聞きましたが、皆さんが口を
そろえて “開発中です” と言われたのが印象的でした。と言いますのが、
開発中でも前のめりに出展する皆さんの姿勢から、今後のモノづくりにおける
サステナブルの重要性とスピード感を、改めて感じたからです。
　私も早速、生分解性素材ポリ乳酸を入手し、弊社の３Ｄプリンターで継ぎ手を
試作しました。右写真がその試作品です。
　この様な世の中の動きに、ワクワクしますね！